テレビで紹介(PR)される方法とは?PRするポイントが見つからなくてもOK
前回のコラムでは、PR業界ではテレビ的に面白く見せることが難しく”テレビ向きではない”と言われているWebサービスを、”テレビ露出”させた事例(記事のURL)を紹介した。このときの成功ポイントは、明確に差別化できる要素があったクライアント企業のサービスを活かし、様々な「切り口」から「三本の矢」を導き出したことだった。
今回は、他社との明確な差別化ポイントを見つけづらい飲食業のPR事例について紹介しよう。
飲食店を経営している方なら誰しも一度は『テレビで取り上げられたい!』『お店を有名にしたい!』と思うもの。インターネットに押されているとは言え、テレビの圧倒的なリーチ力、集客力を考えればなおさらだ。
クライアント企業は、『うちは旬を考えて最高の食材を提供している』と打合せで語る飲食チェーン店。確かに他のチェーン店と比べても “味”も”食材”もしっかりしていた。しかし、厳しい言い方になるが、それだけでは他のチェーン店との差別化をはかりづらく、テレビで取り上げてもらうのは難しいと感じた。多くの人が誤解しているが、“美味しい”から取材が入るわけでないのだ。美味しさが“画で伝わる”ものがテレビに出るのだ。
まずは、テレビ番組のディレクターに面白い!画で伝わる!と思って貰うために、このクライアントに眠っている多くの情報の中から「プラスα」を掘り起こす必要があった。
高い食材を使っている店は正直、日本全国どこにでもある。テレビ的にはタレントに出演してもらい、有名なお店で高級料理を食べてもらえば「そこそこの数字」の予想もつくが、タレントの高額ギャラを考えると簡単には選択肢に入らない。ましてや、今回のお題は「高級食材」ではなく「お手頃価格で最高の食材」なのだからタレントを立てずに、クライアント企業の特徴を活用しながら、テレビ取材を獲得するための「プラスα」を見つける必要があった。
そのためには、如何に社内でキャラ立ちする人あるいはモノを見つけられるかがポイントであったことは言うまでもない。これもあまり知られていないが、テレビは基本的に“人”を追っている。面白い人やモノのストーリーがあってこそ企画が成り立つのだ。
そこでテレビ側が求める「プラスα」を見つけ出すため、商品開発の担当者にヒアリングを開始。すると、食材を仕入れるために地方を飛び回るという担当者の「裏話」と、恰幅がよく声も大きいという絵に描いたような「豪快なキャラクター」に目が留まった。
そして・・・
『この担当者を主人公に、仕入れ現場の密着取材を提案すれば、成立する可能性は高いはず』とピンときた。
今回のPR企画の方程式は
密着取材可能な『豪快な人物像』+『地方を飛び回り苦労して手に入れた最高の食材』×『料理ができるまでのドラマ』=『他店では味わえないプレミアム感』となった。
さっそく夕方の報道番組の特集コーナーに企画を持ち込むと、追加リサーチを経て無事に企画会議を通過。地方ロケだったためスケジュール調整に少し苦労したが、放送された密着ドキュメントには、その「豪快なキャラクター」である担当者が「食材ハンター」として北海道の食材が新鮮な地方都市の浜辺で漁師と直接交渉する様子など、お店の信念である「食材の良さを追求する」姿が映し出され、大きな反響を得た。
放送後の「来客数の増加」はもちろんのこと、番組担当者から「視聴率が良かった」と連絡をもらい、すぐに第2弾を提案。通常ありえない1クールで2回同じ企画が取り上げられるという結果につながった。
貴社の商品・サービスあるいは貴社が担当するクライアントの業態・商品・サービスが競合他社との明確に”差別化できる要素がない”からと言ってテレビ取材の獲得を諦めるべきではない。
なぜなら、ここで紹介したように社内の人材リソースから、「キャラ立ち」する人物をみつけ、そこにあるストーリーをうまく紡ぎ出せれば、「クライアント企業の一社員」のドラマとして、競合他社にはない立派なドラマが生まれるからだ。
ただ、どうしても「キャラ立ちする人物」が見つからない、あるいはそういった人物が出演したがらない場合はどうするか?
それは次回のコラムでご紹介しよう。
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