コンテンツマーケティングと聞くと「ウェブサイトを立ち上げて、ライターやデザイナーにコンテンツの制作を依頼して、ソーシャル戦略を練って・・・」などなど、いかにも大掛かりなマーケティング戦略を展開するようなイメージを持っている方もいるでしょう。
事実、コンテンツマーケティング戦略を生業としている我々もそういったプランを提供していますが、予算の都合や依頼内容によっては「そんな大掛かりなことしなくても面白いコンテンツマーケティングはできそうだなぁ〜」と思うようなお客様もいらっしゃいます。
そこで、今回は専門業者に依頼しなくても、社内にあるリソースだけで実施できるコンテンツマーケティングのアイディアを5つご紹介します。
「何年か前に勧められて社長ブログなんてはじめてみたけど、全く効果ないよ」という方もいらっしゃいますが、ネット社会の現状を知り、ちょっとした戦略を練れば立派なコンテンツマーケティング施策になります。
ポイントは3つです。
①社長のキャラを明確にする
キャラとは何も面白おかしくする必要はなく、要は「こういう考え方を持っていて、こういう情報を常に配信する人」という明確なイメージを全面に押し出すということです。
読者に「この人ならきっとこういうことを言うだろうな」と思わせたら勝ちだと思ってください。
②業界内で話題のニュースについて積極的に意見を述べる
業界内で話題になっているニュースについて意見を述べて、関係者の関心を惹きましょう。
またSNSにブログ記事を投稿すると、関係者がシェアをしてくれるとともに業界内でその記事を目にする人が増えます。
③できる限り頻繁に更新する
投稿頻度が不定期になると、せっかく社長に興味を持ってくれた読者が一気に離れてしまいます。
また投稿頻度を多くしておくことによって、キャラの定着が早くなるというメリットもあります。
商品やサービスを利用する人にとって有益な情報を配信するのはコンテンツマーケティングの基本中の基本です。
例えばミシュランガイドはタイヤメーカーであるミシュラン社が、フランス国内の自動車旅行を推進するために配布したのがはじまりです。当時はホテル情報などのほかにガソリンスタンドのマップや車のメンテナンス法などが掲載されていました。
日本でいえば、キッコーマンのレシピサイトがよい例でしょう。キッコーマンの商品を購入した人々にとって役に立つ情報を配信することで、同社の商品需要を増やしています。
by wacom
業界内では知られていても、世間が全く知らないデータというのは魅力的なコンテンツです。
例えばアメリカの心理学者、アルバート・メラビアンが1970年代に発表した「7-38-55のルール」は心理学界ではかなり有名な法則でしたが、2005年に竹内一郎の著書「人は見た目が9割」がベストセラーとなったことで日本中にこの事実が知れ渡りました。
あなたの会社にも、世間があっと驚くようなデータが眠っているかもしれません。
そのデータをそのまま公開してもすぐに注目されることは難しいかもしれませんが、インフォグラフィックなどビジュアルで表現してソーシャルメディアで注意を引けるようにすれば多くの人に知ってもらえるコンテンツになります。
どの業界においてもそうでしょうが、働いている人にしかわからない卓越した技術や知識というものがあります。
そういった普段日の目を浴びない技術や知識にスポットを当てるためにコンテストを開催するのも魅力的なコンテンツになります。例えばJALでは、普段あまり注目されない地上スタッフの接客技術にフォーカスを当てた「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」というものを開催しています。
機内に搭乗するCAに比べて注目されることが少ない地上スタッフたちの卓越した接客技術を競うコンテストを開催することで、同社の徹底したサービス向上への取り組みを世間に知ってもらうことに成功しています。
会社というのは時代とともに大きく変わるものです。その会社がどう変わってきたかという歴史は、その時代を生きた人々にとっては感慨深い良質なコンテンツです。ただ業績の変化などは株主でもない限り興味を惹きません。
大切なのは「企業の歴史とともに、時代を振り返る」ということです。
これを如実に表すのが、企業がその時代ごとの人々に向けて公開した広告やパンフレットです。 例えば「そうだ 京都、行こう」のキャッチフレーズでおなじみのJR東海は、歴代のCMをすべてウェブサイト上で公開しています。
ひとつひとつのCMの完成度の高さはもちろんのこと、コピーや音楽の変化を楽しみながら時代の移り変わりを感じられるコンテンツです。 またこれらのCMを見て京都へ出かけたことのある人にとっては懐かしいコンテンツで、「もう一度行こう」と思わせる要素が満載です。
コンテンツマーケティングはここ数年で注目されるようになった戦略なだけに、全く新しいことをいろいろとやらなければいけないのかと思われがちですが、実はどんな会社にもコンテンツはあります。
もちろん、本格的に効果をあげたいのであれば専門家に相談することをお勧めしますが、まずは自社にあるものだけで行える施策で、コンテンツマーケティングをはじめてみてはいかがでしょうか?
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