「PESO(ペソ)メディア」とは?
アメリカのIT系情報サイト「CNET」で2009年に発表された「マルチメディア2.0」という論文があります。
その中に記載された新たなマーケティングの概念「トリプルメディア」は世間から大きな注目を集め、発表後、急速的に世の中に広まりました。
トリプルメディアとは、
・アーンドメディア(Earned Media)
・ペイドメディア(Paid Media)
・オウンドメディア(Owned Media)
の3つを指します。
日本語では「(評判や信用を)得るメディア」「買うメディア」「所有するメディア」と訳されるもので、これら3つのメディアを連動させて、企業活動をデザインするというマーケティング手法です。
今回は、トリプルメディアの中の「アーンドメディア」に着目して話をします。
アーンドメディアとは、FacebookやTwitterなどのSNS、ブログ、または無料で取り上げられるマス媒体(新聞やテレビなど)の記事を指します。
これらは基本的に「企業がコントロールすることができない第三者による発信」という性質があります。
Webマーケティングが現れる以前は、企業がテレビや新聞の枠を購入し、ユーザーに対して一方的に情報を伝える方法が一般的でしたが、ソーシャルメディア全盛の現在は、この“第三者による発信”が大きな影響力をもつようになりました。
いわゆる「クチコミ」です。
ユーザー主導の情報発信によって、これまでは結びつくことのなかったユーザーが結びつき、クチコミの内容次第で、企業の良い評判も悪い評判も一瞬で広まる時代です。
企業にとっては情報の中身を直接コントロールすることができないアーンドメディアですが、この影響力は無視することができません。
そこで行われているのが「アーンドメディア戦略」で、主に次のようなものがあります。
<良いクチコミが生まれるための情報提供を行う>
マスメディアや影響力のあるソーシャルメディアに対して定期的に情報を提供し、企業の良い面を取り上げてもらう。
また、一般消費者に信頼されているブロガーやSNSユーザーにアプローチをかける。
<ユーザーの声に耳を傾けて、活用する>
消費者の素直な声が集まるアーンドメディアには商品の改良点やアピールポイントが含まれている可能性も少なくない。
そのニーズに応えることで、「顧客をファン化する」という流れをつくる。
ちなみに、近年は「トリプルメディア」をさらに進化させた「PESO(ペソ)メディア」という考え方が広まっていて、新たにシェアードメディア(Shared Media)が加わりました。
そこでは、パブリシティはアーンドメディア、ブログやSNSはシェアードメディアに分類されています。