そもそも、広報の効果とはどのようなことが考えられるか、ここでまとめてみたいと思います。
『アテンション』
多くの人に、1回で、「注意喚起」「気付き」を与えることができます。
テレビ番組、Webメディア、インフルエンサー、新聞が取り上げてくれることにより、多くの人が自社のサービス・商品に気づいてくれる効果があります。
『低コスト』
広告枠を購入するのではなく、メディア・記者の「書きたい!」に応える広報は、広告に比べて格段にコストが安いのが特徴です。
消費者が興味を持って記事や番組を見ることで、広告費のみならず、営業費・販促費のコストダウンも期待できます。
また、記憶に残ることで継続的な効果もあります。
『ブランディング』
第3者が取り上げてくれる、評価してくれることにより、ブランド価値が確実に上がります。
信頼度が上がるのは最大の効果。ヒットの陰には必ずこのような第3者の存在が見え隠れしています。
■メディアの動きを逆算した情報設計って?
報道番組のディレクターをしていた私が、テレビマンから広報の仕事に携わるようになり、逆の立場となってはじめて知ったことがあります。
それは、広報担当者は日々あの手この手でメディアにアプローチしているという事実です。
しかし、テレビマン時代の私はというと、メディアの元には日々大量の情報が入ってくるので、広報から送られてくるプレスリリースなどにはうんざりしていたというのが実際のところ。
まったくといってよい程プレスリリースに目を通していませんでした。
つまり、企業が一方的に発信している情報のほとんどは、残念ながらメディアには届いていないのです。
となると、一番良いのは、
“メディア側から探させる”
というパターンだという結論にたどり着きました。
これを私たちは「メディアインバウンド」と呼んでいますが、どんなコンテンツであればメディアが興味・関心を持ち、メディアの方からいかにインバウンドさせるかを考えてコンテンツを設計していきます。
これが、「情報伝播設計」というものです。
テレビや新聞などのマスメディアは、このソーシャルメディア時代でもなお、大きなインパクトを持ったメディアであることに変わりありません。特にテレビの威力は健在で、地域、年齢に関係なく日本全国に情報を隈なく伝えるという役割はテレビにしか担えません。
この点に着目し、逆算しながら情報を作っていくことが最大のポイントです。
「報道連鎖」が起きるように、下図のような「情報伝播設計」をする考え方を理解しておく必要があります。
<報道連鎖を起こす情報伝播設計>
「報道連鎖」とは、報道が報道を呼び、情報が好サイクルに伝わっていくことを言います。一度このサイクルが回り始めると、企業メッセージを世間に広く効率的に伝えることができます。
発端はまず、Webメディアで取り上げられるところからスタートします。
Webメディアが発信したニュースやトレンドは、SNSに投稿されたりシェアされることで人々の間に一気に広まり、「バズる」というような現象が起きます。
すると、その話題性に目を付けるのがテレビ、新聞、雑誌などマスメディアの人たち。
当然ながらテレビマンも一生活者なので、Webニュース、グノシー、Twitterを日常的に見ています。
「これおもしろいな」「これバズってるな」という話題は、テレビマンの目に留まり、一早くテレビでも取り上げられることとなります。
すると、テレビに取り上げられたニュースは、再びWebメディアやSNS上で話題となります。
・・・という具合に、報道が報道を呼ぶ「報道連鎖」が生まれるというわけです。
■メディアインバウンドを狙う
現代のテレビマンは、テレビで扱うネタ探しをどのように行っていると思いますか?
先にも触れた通り、多くの場合、WebメディアやSNSで話題になっているものの中から探している、というのが実情です。
となると、
“ネット上にいかにインパクトのある情報を掲載しておくか?”
が最も重要であり、最も時間をかけて設計しなければならないポイントということになります。
テレビマンが興味・関心を持つネタを先読みし、ネタを探している彼らの目に留まる情報をオウンドメディア上に載せておくこと。
情報を、メディアの方から「追わせるような設計」をしておくことです。
メディアマンは、プッシュすればするほどその情報に興味を示してくれないものと心得ておきましょう。
このメディアマンの特性、メディアの動きをよく理解し、「メディアインバウンド」を狙った「情報伝播設計」をしておくことこそが、世の中に情報をより広く、より深く伝える近道ということになります。
■イノベーター理論を応用する
続いて、情報がどのように伝わっているかを理解し、オピニオンリーダーをうまく活用することで情報を広げていく方法(しかも、低コスト!)をご紹介します。
ご存知の方も多いかと思いますが、「イノベーター理論」を応用することで、広報戦略の精度を大きくアップさせることが可能となります。
「新しいこと」に対するスピードや態度を示したのが「イノベーター理論」ですが、「新しいこと」に最も感度の高い人である「イノベーター」に属する人たちは、今はTwitterやInstagram、海外のWebや有名人のブログ等で最新トレンドをチェックし、メディアが彼らの後追いをするほどの存在です。
重要なポイントは、
“情報は水と同じ”
ということ。
水は高いところから低いところへ流れその逆はあり得ないのと同じで、情報は「感度の高い人」から「低い人」へと流れるものです。
情報を効率的に広げる策として、「イノベーター」の次の「アーリーアダプター層」を捉えてアプローチすることが極めて重要で、そのためには影響力のあるオピニオンリーダーを探し出すことです。
芸能人や有名人というわけではなく、業界内の話題に対する感度が高く、
“業界内で影響力のある人”
を見つけ出すのです。
「この人が発信する情報って、よくテレビでも話題になっているなあ」と感じることってよくありませんか?
特定のコラムニストが書いたことがマスメディアに広がっていく、というように、このテーマ、この業界の話ならこの人、というように、影響力のきっかけとなる人は誰なのかをリサーチしてみましょう。
ソーシャルメディアを検索してきっかけを見つけ出すことも可能なので、ぜひトライしてみていただけたらと思います。
業界の「オピニオンリーダー」をうまく活用することで、そこから情報がどんどんと流れ、勢いを増して多くの人の元へと届いていきます。
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