新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、社会情勢や生活様式、消費行動などに大きな変化が生まれました。それに伴い、2022年の広報PRのトレンド事情も大きく変化しています。
本記事では、コロナ背景で変わったメディアとの関係性やアプローチの仕方のほか、広報PR活動において意識したいトピックスなど、最新の広報PRトレンドを前編・後編に分けてご紹介します。広報担当者は時代の潮流をしっかりキャッチアップし、今後の広報PR活動に活かしてください。
長引くコロナ禍で“おうち時間”が増えたことにより、デジタルメディアへの接触が大きく増加しました。特に気軽に視聴できるYouTube視聴時間が増加しました。テレビに関しても、コロナ以前より視聴者が増えたことで、視聴者層も変化してきています。広報PR担当者は、この有象無象のデジタルメディアの中で、どこに取り上げられるのが最適か、見極める必要があります。
メディアプロモートの仕方にも変化が生じています。コロナ以前、広報PR担当者は、電話やメールで記者とコンタクトをとるのが主流でした。
ところがコロナ禍では、記者もリモートワークで出勤していないことが多いため、すでに知っている方であれば、チャットやメールでアポ調整し、zoomなどのビデオミーティングを介したアプローチが増加しました。結果的にメディアとのコミュニケーションも効率良くなるので、広報PR担当者はうまくビデオミーティングを活用すると良いでしょう。
また、ビデオミーティング然り、メディアとのコミュニケーションツールにも大きな変化がありました。テキストコミュニケーションにおいて、これまでの主流であったメールから、TwitterのDMによるアプローチへ変わってきています。記者やメディアのアカウントへダイレクトに連絡することで、よりクイックに繋がりやすくなりました。
コロナ禍における副業ライター人口の増加に伴い、メディアは、正社員による記者以外にも、外部ライターや副業ライター、寄稿記事を依頼する機会が増えました。広報担当者やPR会社にとっては、このような寄稿や副業ライターにもアプローチすることが有効的です。
コロナによる海外渡航のハードルの高さにより、海外の大手メディアに向けたプレスリリースやニュースレターなどの発信が増加しました。ゲームやデジタルコンテンツやNFTなど、すぐに海を越えられるようなサービスやコンテンツを中心にグローバルPRが活発になってきています。またコロナも一段落し、インバウンド(観光業)関連の企業の海外情報発信も活気づきはじめています。
ブロガーに対価を払いポストしてもらうインフルエンサーリレーションズは、今やインスタグラマーに取って変わりました。
インフルエンサーマーケティングは、ステルスマーケティングで炎上が目立つことも多かったため、「#pr」という表記に対してマイナスなイメージを持つ人も少なくありません。
表記をつけることによって、金銭の授受が発生しているイメージだけが先行してしまうのが日本のインフルエンサーマーケティングの現状です。他方で海外では、その製品を熱烈に好きな人がポストしているイメージが強く、「#pr」に対しての評価や信頼性が日本とは全く異なるのです。
インフルエンサーを活用して広報PRする上で大きくアテンションを取りたい場合、影響力があるインフルエンサーにポストを依頼するのが効率が良いかもしれません。ただ、もともと自社製品を好んで使っている人や企業理念に共感してくれている人、製品について自主的に投稿してくれている人など、いわゆるアンバサダーに依頼することの方が、結果的にうまくいくことが多く、「#pr」のマイナスイメージも払拭できるでしょう。
このようにインフルエンサーリレーションズは、フォロワー数の多いインフルエンサーと連携することよりも、企業の応援団であるアンバサダーと連携することがトレンドになりつつあります。
ジェンダーや人種、労働環境問題、政治や文化などに関する“社会貢献活動”に取り組んでいない企業は、20〜30代のビジネスパーソンに“カッコ悪い”という烙印を押されてしまいます。
それだけではなく、社会貢献活動をしていない企業は、持続性がないとみなされて投資をされなくなるリスクもあるので、自社を守る防御の意味でも社会貢献活動への取り組みは重要です。
企業はSDGsやCSR、ESGなどサスティナブルなことを考えているだけではなく、考えていることを言語化して情報発信していかなければなりません。
まずはインナーコミュニケーションとして、広報部が企画し、文化会や部活動などを通して社内に発信していく必要があります。社内に浸透したら、オウンドメディアを介して外部に発信していきましょう。そのなかで「LGBTQの社員に対しての制度を変えた」などの報道価値がある社会貢献活動の実績があれば、メディアに向けても発信していく必要があります。
また、NIKEのカンボジア労働問題のような劣悪な労働環境ではないか、どのような会社でどのような環境の中、どのような教育をし、どのような労働をして、どのような成長が見込まれるのか?“人的資本開示”がトレンドになってきています。このように持続可能な会社なのか開示義務があるなかで、社会貢献活動の重要度は見過ごせないでしょう。
以上、2022年の広報PRトレンド3つをご紹介しました。後編では「デジタルPR」「データドリブン」「デジタルマーケティングとのシナジー」についてご紹介します。
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